摂食嚥下障害の症状
摂食・嚥下障害は、摂食・嚥下機能に問題が起こることで発生します。摂食・嚥下機能が行われる時、大きく5つの時期に分かれており、いずれかの時期に障害が生じると、誤嚥やむせ等の問題が起きます。
食事中や食後にムセる
食事中や食後に飲食物が気管に入ってムセた経験は、老若男女問わず誰もがあるでしょう。特に高齢者はムセることが増えてきますが、これは筋力の低下や嚥下反射の鈍化に伴う症状です。以前よりも頻繁にムセるようになった場合は、摂食・嚥下障害による誤嚥を疑いましょう。
液体が飲み込みにくい
さらさらとした液体は、固形である食物よりもむせやすいという特徴があります。しかし、以前よりも頻繁にムセるようになったのであれば、摂食・嚥下障害である可能性があります。また、ムセるからといって水分を摂らないのは脱水に繋がりますので、早い改善が必要です。
食べ物が喉につかえる
飲食物が喉につかえるような感覚があるのは、喉の筋肉の衰えにより蠕動運動が鈍かったり、食道の入り口が上手く開かなかったりといった原因が考えられます。また、歯の脱落や舌の筋力が弱まるなどの口腔内機能の衰えから、じゅうぶんに飲食物をかみ砕けないことも原因の1つでしょう。頻繁に飲み込みづらさを感じるようになったら、窒息を起こす前に、原因が病気か加齢かを医師に見てもらって対応を考える必要があります。
口の中に食べ物が残る
口に食べ物が残ることがある場合、口腔内の感覚が鈍化していたり、舌や唇などの運動機能が低下していたりといったことが原因です。口腔内の運動機能の低下は、食べこぼしや誤嚥、最悪の場合は栄養状態の悪化に繋がります。
食事に時間がかかる
1回の食事に30~45分以上かかる場合、「食事に時間がかかっている」と判断します。元々食べるのが遅い方は、以前に比べて急速に時間がかかるようになった場合、摂食・嚥下障害の疑いがあります。 歯や筋力の問題によって咀嚼する力が弱くなり、一口にかかる時間の増加や、硬い物や咬み切りにくい物を食べていることが原因であると考えられます。
食べ物が鼻に流れる
鼻へ飲食物が逆流しない為の仕組みが衰えていると考えられます。食事が鼻に流れる以外にも、食事中に鼻水が出るという症状も、鼻と口が繋がる部分を遮断する上顎奥の働きが衰えていることによるものです。